理屈よりも体の感覚が好き。直感が大事。


by hiroQ111
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気持ちがすべてを決定する。ファイティングガール

以前にも観た映画であるが、
何度観ても面白い。

ファイティング・ガールは実在したアメリカボクシング界の
女性プロモーター「ジャッキー・カレン」がモデル。

大手プロモーターに啖呵をきり、
その結果わずか1ドルでプロボクサーを買わされることに。

ボクサーの家を訪ねてみるとヤクの最中。
さっさと退散しようとしているところへ、
体格のいい若者がドアを蹴破り侵入。
ヤク中とはいえプロのボクサーを、
なんと数発でノックダウン!

ジャッキーはその若い黒人「ルーサー・ショー」に
目をつけ、プロのボクサーにならないかと声をかける。

ボクシング界は巨万のお金が動く。
ギャンブル、八百長の温床でもある。
言わずとしれた男の世界。
女はリングにすら上がれなかった。そんな時代に、
ジャッキーは女ひとりで宣戦布告したのだ。


大手プロモーター会社のオーナーは
ジャッキーたちが試合ができないよう
近隣の興行主たちに手をまわす。
自分たちの富を女なんかに奪われていいのか?
ジャッキー、目障りな女だ。
男に対して二度とへらず口が聞けないようにしてやる。


ジャッキーは様々な圧力と妨害を受けるが決してめげず、
逆に、たくましい精神力と、マスコミへのあの手この手のアプローチ作戦で、
ボクシング界のヒロインとして一躍脚光を浴びる。

ところが、
ジャッキーが目をつけ育ててきたボクサー「ルーサー・ショー」は
取材に講演にTV出演にと飛び回り
自分を忘れたかに見えるジャッキーに業を煮やし、
「あんたが活躍できているのは俺のお陰だろ!」と言い放つ。
ジャッキーは売り言葉に買い言葉で
「私が理解できるのは『契約書』に書かれている言葉だけよ。
私がいなければあなたは破滅よ」と言い捨てる。

完全に信頼関係の冷え切ったボクサーとマネージャー。

ここで男性のマネージャーなら、
感情よりもビジネスを優先させたかもしれない。
ところが、ジャッキーは母性の厚い女性。

しょせん、女の自分には
ボクシングという男性社会に太刀打ちできないかもしれない。
そうなればルーサーの才能をこれ以上伸ばすことが不可能になる。
ジャッキーは最大の敵であった大手プロモーターにルーサーを譲り渡すことを決意。

彼らはジャッキーに、今後一切リングのまわりをうろつくなと言い渡す。

こどもの頃から大好きだったボクシングを断ち切られたジャッキー。
でもそれは、チャンプの素質と才能を十分に備えたルーサーの未来を守るため。
母親がわが身を削ってこどもを守るような、そんな潔い行動である。

ところが、悪徳プロモーターは
金のため、男の名誉のためならどんな手段も惜しまない。
相手の将来?ハン!ボクサーなんて後から後からどんどんでてくるさ。
とにかく「ファイト」がある限り、金はついてくるんだから。

ジャッキーから離れ、
大手のプロモーターに身柄を引き取られたルーサーは彼らの商売のため、
3週間後にミドル級チャンピオンへの挑戦試合を組まれてしまう。

3週間では体の調整ができない、とあきらめるルーサー。

試合当日、相手のチャンピオンは、1ラウンドが始まるやいなや、
いきなりルーサーめがけて怒涛のごとく連打。
相手の波にすっかり飲まれてまともに身動きすらできない。

しかも、チャンピオンはルーサーの股間にするどいパンチを1発見舞った。
レフリーから注意を受けるも、次にはリングのロープに体ごと押し付け、
ロープから外に出ている頭を殴打。

またもやレフリーから反則をとがめられるが、退場はない。

ジャッキーは、カーラジオで放送を聴きながら
ルーサーが受けている痛みが自分にも伝わってくるのを感じていた。

いてもたってもいられないジャッキー。
ルーサーを手放さなければ良かった。
ルーサーの才能がこんな形で抹殺されようとしている。

正当な方法で、チャンスを与えられないなんて。
その気持ちは、まさにジャッキーが幼い頃から味わってきたものだった。
女性であるために、リングに上がることすら許されず、
いつも女に何ができるとバカにされ、どんな努力をしても
すべて上司が手柄を横取りする世界。

ジャッキーは車を降り、会場へ走りだす。
かつて知ったるアリーナ。場内へ入るなんて朝飯前。

ルーサーはみじめに打ちのめされ、
ロープを支えにしてようやく立ち上がる有様。

ジャッキーは思わずリングへ向かって走り出す。

3ラウンド終了。

そこに、リングにひらりと上がるジャッキーの姿が。
コーナーに腰掛けているルーサーに近寄り、
ルーサーの弱りきった瞳をじっと見つめた。

「お願い、1分だけ時間を頂戴。
ルーサー、ごめんなさい。私が悪かった。私を許して。

でも、リングに上がった以上、あなたは闘わなくちゃいけない。
どうして相手が反則すると思う?あなたに勝つ自信がないからよ。

あなたは、この試合に勝って、歴史を塗り替えるのよ。
あなたならできる。あなたには才能がある。私なんて必要ないのよ。
あなたは自分の力で十分にチャンプになれる。

さ、行って。ヤツをたたきのめしてきて。」

ジャッキーはルーサーの背後にまわってそっとつぶやく。
「相手が踏み込んできたら、スタンスを変えて右を狙って。
自分のビジネスをするのよ」。

ルーサーの意識が変わる。
反則してでも勝とうとしたチャンプの姿が小さく見える。
ルーサーのパンチが戻った。

チャンプは余裕を失い
ルーサーの手のうちに入ってきた。
いまだ。ルーサーが足のスタンスを変える。

歴史を変えるんだ。

ルーサーの鋭いパンチを受け、チャンプの体が右に左に揺れる。
そして、ついにロープをつかみながら、膝をくずし、マットに倒れこむ。

会場を埋め尽くした聴衆から一斉に歓喜の声が響きわたる。

ジャッキーはその様子をうれしそうに眺めながら
そっと会場から出て行く。


私は、このシーンが好きだ。
DVDのメニューを選んで、もう一度余韻に浸る。

映画的といえば、映画的なシーンだ。
ふらふらになるまで叩きのめされた人間が
たったひとことで意識が変わって
するどいパンチが繰り出せるほど、足腰の力が
瞬時に甦ったりするか?

するのだ!!!!!

意識は、60兆の細胞を目覚めさせるのだ。
ボクサーのように集中力を鍛錬した人間ならなおさらだ。
できない人間は、本気になる度合いが薄いのだ。
思考をシャットダウンできるほど集中できていないのだ。

自分の細胞を疑い、自分の才能を疑い、
自分の気持ちすら疑っていては、
なにひとつ超えられないのだ。

気持ちがすべてを決定するのだ。

できると思えば、できる。

気持ち次第なのだ。
気持ちが細胞を支配している。

ルーサーはジャッキーの言葉によって
チャンピオンとして輝いている自分を思い描いたはずだ。
ルーサーとジャッキーは本当は心の底から
信頼しあっているパートナーだったから。

あ~、仕事なんてそっちのけで、
また観たくなっちゃった。
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by hiroQ111 | 2006-02-16 17:07 | 何度観ても面白い!映画